うに日記

ハリネズミのウニ助と同居中。自分がいいと実感したものを、もっと広めていきたい

化学物質過敏症でも、海外だと楽になれる!?体験談をまとめてみた!

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目次

1 前書き

 化学物質過敏症だけど海外旅行に行きたい、仕事で海外に行かなければならない、又はこれからの将来が不安で海外に移住したいと考えている方は多いと思います。そんな方のために、参考にさせていただいた方々の話をまとめてみました。

 なお、化学物質過敏症の症状や反応する物質は人によって異なり、ここで書くことは全ての人に当てはまるというわけではないため、自分の体調を確認して、できればサポートしてもらえる方と一緒に行くことをお勧めします。また、医者に診断された方や定期的に病院に通われている方は主治医に海外に行くことを相談してから渡航することを強くお勧めします。
 
 ここまで読んで、化学物質過敏症ってなに?と思われた方は、下記のサイトに詳細に記載されているため、ぜひご覧ください。

化学物質過敏症支援センター

2 私が行く前に参考にした体験談

 化学物質過敏症の人間が海外に行ってみた話①でも記載したとおり、私が旅行を計画したのは化学物質過敏症が判明する前のことでした。症状がはっきりと現れ、悪化してしまったとき、本当に海外へ行っていいのか思い悩みました。

 そんな時に私が発見したのがこの方のツイートでした。

 柔軟剤の匂いがない、混んだ電車でも体に症状が出ない、とても衝撃でした。
 てっきりそれまでは、海外も日本と同様か、又はそれ以上に柔軟剤などを大量に使う世界だと考えていましたが、この方の一連のツイートから、海外が日本より良い環境だということを知ることができました。
 それまでは、香料に暴露したらどうしよう、倒れたらどうしようとネガティブな考えばかりだったのですが、このことを知って希望が持てるようになりました。準備にも前向きになれ、対策もしっかりできました。

 海外、特にアジア方面に出掛ける際にはこの方のツイートがとても参考になるため、ぜひ渡航前に過去のツイートを読んでみてください。

 他にも、仕事面における日本と海外の違いや、香料、煙草事情についてもたくさん書かれています。一部掲載させていただきました。

 煙草については国によるようですが、それでも日本より吸う人が少ない場所もあるようです。タイについてはすごく意外で行ってみたくなりました。一方受動喫煙症の方はクアラルンプールは避けたほうがよさそうです。
 屋内全面禁煙の国も多いため、普段は受動喫煙で外食できない方も、そういった国であれば気持ちよく外食できるかと思います。

 なお、電子煙草(アイコスなど)は日本では煙草と同様の扱いですが、海外では販売や持ち込みを禁止している国も多く(シンガポール・タイ・香港等)、また安全面のリスクからか、フィンランドでは全く見かけませんでした。(ただしヨーロッパでもイタリアでは売っているようです。) オーストラリアなど持ち込みを禁止してはいないものの、ほぼ販売していない国もあるようです。
 ドイツのブレーメン州アメリカのサンフランシスコ州のように、国全体では禁止してはいないものの、州によっては販売を禁止しているという国もあります。

 煙草や、電子煙草事情についても国によって異なり、法律などは変わることが多いため、苦手な方は渡航前に調べておくことをお勧めします。

3 海外では楽になる?

 旅行中、あまりの過ごしやすさに嬉しくなって呟いてみたところ、他の化学物質過敏症の方からも、海外は過ごしやすかったという体験談が寄せられました。参考に掲載させていただきました。

(1)アメリ

 アメリカに行かれた方のお話です。
 比較的軽症で、町歩きがマスク無しで可能、電車は辛く、マスク必須といったレベルだそうです。
 アメリカは、香水などの香料は多いそうですが、それでも日本の柔軟剤よりは楽と話されています。いかに日本の柔軟剤の成分が他国と異なるか、分かるお話だと思います。
 アメリカの香害事情についてもたくさん呟かれているため、ぜひ読んでみてください。

https://twitter.com/1981Allergy/status/1125792498603917314?s=19https://twitter.com/1981Allergy/status/1126755986994155520?s=19https://twitter.com/1981Allergy/status/1127438393514717189?s=19https://twitter.com/1981Allergy/status/1127442133835702272?s=19https://twitter.com/1981Allergy/status/1127582777614917632?s=19

(2)ハワイ

 ハワイに行かれた方のお話です。
 ハワイの頃は症状について原因不明で、ハワイの後に化学物質過敏症の疑いと診断され、現在は受診診断待ちということです。

 また、この方は、他にも沖縄に行かれたこともあり、本州よりも楽だったというお話もされていました。沖縄の郊外では自然な暮らしや環境に気を使って生活している人も多いそうです。
 環境にいい場所に行きたいけど症状の関係などから海外には行けないという方は、沖縄が避暑地ならぬ避香地になるかもしれません。私もいつか行きたいです。
 

(3)フィンランド

 私と同じ時期にフィンランドに行った方にもコメントを頂きました。この方は軽度の化学物質過敏症で、柔軟剤以外ではあまり症状がでないということですが、飛行機を降りた途端、きれいな空気に驚かれたそうです。香料はあっても、日本のように持続も広がりもせず気にならないと。

 また、以前行かれたドイツやNY、ロンドンでも同様に快適に過ごすことが出来たそうです。

一方で、ドイツ在住の方の中には、化学物質過敏症ではないものの、真夏のプールでの柔軟剤の香りが苦しいとおっしゃっている方もいます。
ヨーロッパは香料の文化がさかんで、香水をつけている人も多いです。EU等の規制により、売られている商品の成分は日本のものより良いものが多いとは思いますが、使う商品やその量によってはやはり激臭になっている人もいると思います。

 日本の製品と成分が異なることは確かですが、訪れる際にはくれぐれも対策を欠かさず、いざというとき自分の身を守れるように、または誰かに助けてもらえるように準備をしていくことをお勧めします。

私自身パリの空港では香水をつけている人が多かったせいもあり韓国やフィンランドより苦しいと感じました。(ただ日本よりは10倍ましでした。)

 ヨーロッパの柔軟剤の実際の成分については5にまとめておりますので、ご覧頂ければと思います。

 ヨーロッパは環境問題に対する取り組みなどの視点からもマイクロプラスチックや農薬(グリホサートなど)の規制も年々厳しくなっているため、香料そのものや、煙草でそこまで症状が出ない方は、ヨーロッパに行く選択肢は十分に考えられると思います。ただ日本と全く異なる文化や言語が通じないこと、日本人コミュニティがアジア圏より少ないこと、金銭的、時間的に気軽に帰国することが難しいことなどを踏まえたうえで、ご自身の体調や状況を鑑み、主治医がいる方は相談してから決めるよう、お願いいたします。

4 実際に行ってみて

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 とても楽になりました。行って良かったです。日本では8時間寝ても体がだるいことが多く、ぐったりしていたのですが、フィンランドでは毎日3から6時間くらいしか寝ていないにもかかわらず、旅行の日程が後半に進むにつれ元気になりました。帰り際には、こんなに楽に過ごせる場所から帰らなければならないのかと悲しくなったくらいです。

要員としては、全体的な空気のきれいさ(工事中の場所も多々ありましたが、森のように木が茂っている場所も多く、空気はとても澄んでいました。)住民が使う柔軟剤や洗剤、清涼剤、リンスやたばこ等の成分の違いが大きいことが挙げられると思います。

 柔軟剤については使用されているのか不明ですが、(アメリカでは、近年柔軟剤の売り上げが年々減少しているというニュースがありました。)香料を感じても日本で感じるような、のどが焼けつくような刺激臭や、胃腸や肺が痛くなるといった症状は出ませんでした。

 あとは湿度が低く、成分が揮発しにくいことも大きいと思います。そう考えると、高温多湿な日本と拡散型の柔軟剤は最悪の組み合わせなのかもしれません。

 さらに、韓国やフィンランドのホテルには、熱湯洗濯できる洗濯機が置いてありました。また部屋干しは基本せず、除湿器や乾燥機を使っていることも大きいと思います。

 ヘルシンキの電車は滞在した五日間基本的に空いていましたが、唯一メーデーの日だけは満員でした。突然電車の中で音楽が鳴りだしたり(運転手さんがつけていました)目の前で突然青年が歌いだしたり(楽しそうでした。)するような満員電車でも、特に症状が出ることなく30分過ごすことができました。

 また、ホテルのシーツ等に使用されていた洗剤については、匂いはするものの全く症状は出ませんでした。ホテルで洗濯をした友人の服も、かなり至近距離まで近づかないと気づかないほどで、帰りの12時間のフライトで横に座っていても分からないくらいでした。なお、スーパーマーケットではエコベール(ドイツの自然派洗剤)が売られていたことだけは覚えています。実際の柔軟剤の成分の違い等については5をご覧ください。

 デオドラントについては、ヘルシンキの若者は大抵すっとした香りをつけていることが多いです。特に若い男性がつけているイメージです。若い女性は甘い香料をまとっていましたが、目の前に立たれるとかおる程度です。

5 海外と日本の柔軟剤の成分を比べてみた。

おそらく化学物質過敏症の方が一番気になるのは海外と日本の柔軟剤や洗剤、デオドラントの実際の成分の違いだと思います。

ツイッターでフォロワーさんに教えてもらったP&Gのヨーロッパ版公式サイトで調べてみました。

日本のとある会社が公開している柔軟剤の成分はこちらです。

水 、エステル型ジアルキルアンモニウム塩 、グリセリン 、香料、ポリ四級アンモニウム塩 、抗菌剤 、ギ酸、塩化水素 、シリコーン塩化カルシウム 、HEDPナトリウム塩 、防腐剤 、着色剤*

 もちろんこれ以外に非公表にしている成分はあると思いますし、香料の具体的な名前などは一切分かりません。そのため、日本と海外で同じ防腐剤でも全然成分が違う、ということはあると思います。
 とりあえず今回は、公表されている成分だけを比べてみたいと思います。

フィンランドの同じ製品の成分情報はこちらです。

水、ジパルミトイエチル/ジステアロイルエチルジモニウムクロリド(4級アンモニウム塩)、香料、2-プロパノール(2級アルコール)、ココヤシ油、ヘキシルシンナムアルデヒドサリチル酸ベンジル、アクリルポリマ、シトロネロール、ギ酸、リモネン、α‐イソメチルイオノン、ジプロピレングリコール、リナロール、塩化カルシウム、エチドロン酸ナトリウム、着色剤、ジメチコン、ベンゾイソチアゾリノン、ジメチル・メチル(覆われてたポリエチレン酸アセテート)シロキサン、ジメチコノール、水酸化ナトリウムシリカ、着色剤

正直、あまりの情報量の多さに驚きました。なお、これらの表示は元々全て英語でしたが、一つ一つ成分を調べて日本語に訳したものです。日本語で出てこなかった成分もあり、それは直訳しているので、正確な日本で使われている名称とは少し違うものもあると思います。

整理してみましょう。
一番の発見はジメチル・メチル(覆われたポリエチレン酸アセテート)シロキサンでしょう。日本では全く成分が公にされないマイクロカプセルの正体でしょうか。
塩化水素はどうやら日本の製品のみのようです。塩化水素は有毒で、塩酸ガスとも呼ばれる気体です。水やアンモニア、アルコールと反応して新たな物質を生成します。あの肺や目への刺激はこれが原因なのでしょうか。
正直、日本の製品は情報が少なすぎて考察のしようがほとんどない気がします。

6 ただしこんな一面も

 ただ、海外であっても苦しくなることはあります。

 私もフィンランドの駅前やバス停の近くで立っていた時は、煙草の煙がきつく一時的に苦しい思いをしたこともありました。屋内全面禁煙のため、食事はもちろん満員のバス等でも全く気になりませんでしたが、喫煙者の近くを通るときやバス停、駅の入り口ではご注意ください。

 韓国も、屋内は全く気にならなかったのですが、排気ガスなどで喉が痛くなることがあるのでマスクを持っていくことをお勧めします。
 ホテルに芳香剤が置いてあることもあるので、事前にホテルに連絡して頼んでおくか、発見した場合には自分で芳香剤を隔離することが必要になります。

 また、海外でも日本人と遭遇するとかなり苦しいです。フィンランドマリメッコ本店は日本人が多く、柔軟剤で気分が悪くなりました。ただ、商品には幸い香りはついておらず安心しました。

 クアラルンプールは電子煙草や煙草がきつく、タクシーは車によってはかなりの芳香剤がついている場合が多いということです。

 さらに、アメリカは、香料がきつくトイレの個室にも芳香剤があったり、香水をつけている人が多いということでした。

 そのため、香料そのものや、煙草で重篤な症状が出る方は、注意をして渡航をしたほうがいいかもしれません。

 さらに、空気の悪さなどもぜんそくや過敏症に影響する場合もあると思うので、行かれる際はPM2.5の発生具合等にご注意ください。

6 帰国後反動が来る可能性

アメリカに行かれた方のツイートです。柔軟剤は海外ではほぼ暴露することがないため、日本に帰ってきてからの落差がひどいようです。

 

 初めに紹介させていただいたこの方の場合、日本に帰ってきてから、環境の悪化により一気に体調を崩されたそうです。詳しく表にまとめられているため、ぜひご覧ください。
 実際に私もフィンランドから帰国してしばらくたってから、腎盂腎炎を発症し大変な思いをしました。

 海外で過ごしたあと日本に帰国すると、環境の落差等から反動で体調が悪化することもあるため、帰国後はみなさんどうぞご注意ください。

7 最後に

 引用させていただいた方々のツイートは、許可を頂いて掲載をしています。また、これらのツイートは、化学物質過敏症が海外に渡航すれば確実に治ることや楽になること等を保障するものではないことをご理解ください。
 あくまでも参考にしていただけると幸いです。

次回は海外に持っていけばよかったものについて書こうと思います。