うに日記

ハリネズミのウニ助と同居中。自分がいいと実感したものを、もっと広めていきたい

化学物質過敏症の人間が海外に行ってみた話②

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目次

1 化学物質過敏症と長時間のフライト

この話は、化学物質過敏症の人間が海外に行ってみた話①のシリーズものになります。単体でも読めますが、よかったらこちらもどうぞ。
化学物質過敏症の人間が海外に行ってみた話① - うに日記

化学物質過敏症とは、柔軟剤や殺虫剤、農薬などの人体に影響のある化学物質を長期間、又は大量に体内に取り入れることで発症する病気です。原因となる化学物質に接触することで、呼吸困難や意識障害などの重篤な症状が出ます。人によって症状が異なりますので、興味のある方は、こちらのサイトをご覧ください。

化学物質過敏症支援センター http://www.cssc.jp/cs.html

 化学物質過敏症を発症した後、フィンランドと日本を往復した際に行った、長時間のフライトに耐えるための方法などをまとめました。海外に行きたいけど、長時間、密室で満席の航空機に乗るのがとても不安という方の参考になればと思います。
 

2 フライト分割はしたほうがいいのか

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 行く前、とても悩んだことの一つです。フライトを分けると嫌でも移動時間が長くなり、その分現地滞在時間も減ります。しかしフィンランドへは片道12時間以上で、その間ずっと防毒マスクをつけるのも、活性炭マスクで耐えるのも無理だと思いました。
 結果として、私の場合は行きも帰りも3分割しました。それで良かったと思います。

分け方は以下の通りです。

行 ①日本→韓国 
  ②韓国→オランダ 
  ③オランダ→ヘルシンキ

帰 ④ヘルシンキ→パリ 
  ⑤パリ→韓国 
  ⑥韓国→日本

 予想通り、①と⑥が一番機内の空気は悪く、苦しかったです。窓際に座っていましたが、柔軟剤の香りが充満し息をする場所もないように感じました。そのため①と⑥では常に防毒マスクをつけていました。外したのは乗り降りの時だけです。幸い添乗員さんは韓国の人でしたが、気にする様子もなく普通に接してくれました。

 次に大変だったのは②、これは前の席に香水をつけた韓国人の人が座っていたからです。ただ、私は香水でそこまで症状はでないので、活性炭マスクだけをつけていました。

 他の③、④、⑤は特に匂いを感じることなくマスクもつけず普通に過ごすことができました。特に、フィンランド発着の便はとても楽で、過敏症が治ったんじゃないかとさえ思ったくらいです。

 このように、化学物質過敏症を発症した人が海外に行く場合、多少面倒でもフライトをいくつかに分けることで、リスクを分散させることができます。特にヨーロッパ方面へ行く方は、直行便で行くと12時間以上かかるかなり長いフライトになります。もし目の前の席に座る人が柔軟剤ヘビーユーザーだったら、喫煙者だったらということを考えると、できるだけ分けてリスクを分散させたほうが安心です。

 また、今回の旅行でできるだけ日本発着のフライトは短くしたほうがいいということを実感しました。特に柔軟剤で症状が出るという方はなおさらです。最低でも1度は近場でフライト分割をしたほうがいいと思います。韓国や台湾であれば、機内でも空港内でも日本語が通じるスタッフがいるため、乗り継ぎをするのに安心です。

3 飛行機の座席はどこがいいのか

 航空券や、航空会社によってはできない場合もあるかもしれませんが、大抵のフライトでは自分で座席指定を行うことができます。海外の空港では、無人チェックインができる機械が置いてあるため、そこで簡単に設定することができます。なお、韓国の仁川空港では無人チェックイン機に日本語設定もあり、とても安心でした。初めて海外の空港を利用する場合には特に、上記1で書いた理由も加えて、韓国など日本に近いアジアの国に一度降りることをお勧めします。

 本題に戻ります。座席はどこがいいのかということですが、正直どんなに席を選んでも、柔軟剤や香水を大量に着けている人が目の前に座ってしまうとどうしようもありません。ただ、それでもできるだけましな席を選ぼうと考え試してみました。

 航空機内は飛び立った後も空気が循環しています。しかし、空気の流れはそこまで強くなく、左右前後に強い匂いの方が座ってしまうとかなりきつい思いをすることは間違いありません。そういう意味では周りに座る人数が1人減る、窓際がおすすめです。

 実際、3,4,3で座席が区切られている機体の場合、左の3列の左から2番目と一番窓際の空気の流れを比べてみたところ、窓際の方がより楽に感じたため、途中友人に交代をお願いしました。(彼女には本当に迷惑をかけました。)なお、友人自身の柔軟剤臭は、韓国で2度熱湯洗濯をしてもらったため、横に座っても大丈夫でしたが、柔軟剤を使用する同行者と同乗する場合には、前後にしたほうがいいかもしれません。(柔軟剤の同行者が後ろ、自分が前。)
 また、いざ防毒マスクをつけなくてはならなくなったときにつけやすいというのも窓際のメリットだと思います。そのため①、⑥の日本発着の便はどちらも窓際にしました。

 一方、窓際のデメリットは席を立ちにくいということです。長時間のフライトの際、通路側の席の人がずっと寝ていたのでトイレに行きにくく困りました。しかも、トイレに行っている間、通路側の人はずっと席に座らずに待っていてくれたので申し訳なさが半端なかったです。
 さらにスマホを失くした際や、機内食について尋ねる際にも窓際では中々添乗員さんと話すことができず、苦労しました。

 4の話にも繋がっていくのですが、いざというとき、防毒マスクをつけるなら窓際、席を立ったり乗務員さんを呼んだりするなら通路側をおすすめします。

 また、電磁波過敏がある方は、窓側は避けたほうが無難だと思います。私は、電磁波に関しては普段そこまで症状は感じませんが、一番長い行きのフライトの時、左端の窓際に座っていたところ、左側の筋肉がピリピリと痛くなり、降りた途端楽になりました。また、長時間のフライトではすべての座席にテレビが取り付けられていることが多く、かなりの電磁波を浴びることとなります。電磁波に過敏な方は特に、電磁波を遮断するためのグッズ等をあらかじめ用意しておくことをお勧めします。

 なお、ヘルシンキ発着のフィンエアーは、他の便とは違い、3列、3列の合計6列の便でした。中央寄りの列と窓側の列、両方試しましたが、どちらも全く匂いを感じることなく快適に乗ることができました。

4 もし飛行機で強い成分を身に着けている人の近くに座ってしまったら

 3でも触れましたが、いざというとき私が実行しようと思っていた対処法2つを紹介します。

(1)防毒マスクをつける

 1でも書いた通り、日本と韓国間の便では片道1時間半の短時間のフライトだったこともあり、私はこれでしのぎました。どちらも窓際の席で横には友人も座っていたため、窓の方を向いていれば飛行中は乗務員以外の誰にも見られずに済みました。例え見られたところで、おそらく二度と会うことは無い人ですし、韓国・日本間でも、韓国・オランダ間で1時間ほど装着していた際にも乗務員には何も言われず普通に接してもらえたので、特に気にする必要はないと思います。苦しいと思ったらすぐにつけましょう。

なお、私はこのタイプの防毒マスクをつけました。値段も安く、重量も少なく、すぐに付けられるためお勧めです。ただし、少々はじめにゴムの匂いがするのと、顔に跡がつきます。普段からつけるのであれば、アレルギーを発症しないよう2種類ほど購入し、日替わりでつけるのがいいと思います。


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(2)乗務員に伝え、席を変えてもらう

 長時間のフライトで、防毒マスクでも苦しくなったら(強烈な柔軟剤の充満した船の部屋に7時間くらいいたときには、最後の方には少し入ってきてしまいました。)この方法を試そうと考えていました。幸い長時間のフライトでも香料の匂いはほぼなく、活性炭マスクで大丈夫でした。

 しかし、私の乗った便は満席だったため、たとえ実行しても席を変えてもらえたかどうかはわかりません。ただ、他に場所を作ってもらうなど、何らかの配慮はしてもらえると思います。命にかかわることなので。

 頼むときは口頭でなくともいいです。できれば、グーグル翻訳(英語⇔日本語)をスマートフォンなどにあらかじめダウンロードしておき、Wi-Fiのない環境でも、使えるようにしておくことがベストだと思います。添乗員に渡すことで、スムーズに理解してもらえます。また、同行者がいるなら、その方に代わりに頼んでもらうのも一つの手です。

5 機内食について

 長時間のフライトでは機内食が出ます。私は小麦でお腹を壊すため、現地で食べるものがあるのか、また、機内食が食べられるか不安でした。そのため、日本で干し芋などを買っておき、いざというときには食べられるようにしていました。
 現地についてはかなり融通が利き、食べられるものがたくさんありましたが機内食は少し制限がかかりました。

 機内食が出たのは、韓国・オランダ間と、オランダ・ヘルシンキ間、パリ・韓国間です。発着のどちらかが韓国の時は、韓国風のメニューと洋風のメニューの2種類が選べるようになっていました。(もちろん韓国メニューを選びました。)そのほか、いくつかのスナックやワインを含む飲み物が配られました。

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友人の機内食(フレンチバージョン)

 オランダ・ヘルシンキ間の機内食は小麦を使ったヌードルとケーキで、残念ながら食べることができませんでした。二時間だったので食べる必要もなかったのですが、友人がおいしそうに食べているのを見るとつい、羨ましくなります。

 フィンランドに到着し、あまりにもグルテンフリーの食品を手軽に手に入れることができたため、もしかすると飛行機でも頼んだらグルテンフリーの機内食も出てきたかもしれない、と思い、実際に帰りのパリ・オランダ間の長距離フライト(航空会社はエア・フランス)で聞いてみました。韓国風メニューにもパンやケーキがついており、軽食には小麦が入っていて食べられなかったからです。
 結果は✖でした。グルテンフリーの機内食を用意するには、事前に伝えておく必要があるそうです。残念ですが、スペシャルメニュー(と言われました)は当日その場では無理ということで諦めました。

 会社によって対応が異なる場合もあるため、気になる方は事前にホームページで確認しておくことをお勧めします。

6 最後に

 全体的に、日本発着以外の便はどれも驚くほど楽なフライトでした。もし海外に近々行こうと考えている方がおられれば、参考にしていただけると幸いです。

 ただし、過敏症が重症化している方は、海外に渡航される前に自分の体調をしっかり確認し、病院に通われている方は主治医に相談してください。海外に行くことに慣れていない方は同行者と行かれることを強くお勧めします。

 また、今のところ、海外に行って悪化したという方の話は聞いてはおりませんが、柔軟剤よりも香料そのものに強い反応が出る方や、受動喫煙症をお持ちの方の場合、日本にいるより重篤な症状が出る可能性がありますのでお気を付けください。

 次回は海外に行かれた方の話や持っていったほうがいいものについて書こうと思います。

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