うに日記

ハリネズミのウニ助と同居中。自分がいいと実感したものを、もっと広めていきたい

化学物質過敏症でも、海外だと楽になれる!?体験談をまとめてみた!

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目次

1 前書き

 化学物質過敏症だけど海外旅行に行きたい、仕事で海外に行かなければならない、又はこれからの将来が不安で海外に移住したいと考えている方は多いと思います。そんな方のために、参考にさせていただいた方々の話をまとめてみました。

 なお、化学物質過敏症の症状や反応する物質は人によって異なり、ここで書くことは全ての人に当てはまるというわけではないため、自分の体調を確認して、できればサポートしてもらえる方と一緒に行くことをお勧めします。また、医者に診断された方や定期的に病院に通われている方は主治医に海外に行くことを相談してから渡航することを強くお勧めします。
 
 ここまで読んで、化学物質過敏症ってなに?と思われた方は、下記のサイトに詳細に記載されているため、ぜひご覧ください。

化学物質過敏症支援センター

2 私が行く前に参考にした体験談

 化学物質過敏症の人間が海外に行ってみた話①でも記載したとおり、私が旅行を計画したのは化学物質過敏症が判明する前のことでした。症状がはっきりと現れ、悪化してしまったとき、本当に海外へ行っていいのか思い悩みました。

 そんな時に私が発見したのがこの方のツイートでした。

 柔軟剤の匂いがない、混んだ電車でも体に症状が出ない、とても衝撃でした。
 てっきりそれまでは、海外も日本と同様か、又はそれ以上に柔軟剤などを大量に使う世界だと考えていましたが、この方の一連のツイートから、海外が日本より良い環境だということを知ることができました。
 それまでは、香料に暴露したらどうしよう、倒れたらどうしようとネガティブな考えばかりだったのですが、このことを知って希望が持てるようになりました。準備にも前向きになれ、対策もしっかりできました。

 海外、特にアジア方面に出掛ける際にはこの方のツイートがとても参考になるため、ぜひ渡航前に過去のツイートを読んでみてください。

 他にも、仕事面における日本と海外の違いや、香料、煙草事情についてもたくさん書かれています。一部掲載させていただきました。

 煙草については国によるようですが、それでも日本より吸う人が少ない場所もあるようです。タイについてはすごく意外で行ってみたくなりました。一方受動喫煙症の方はクアラルンプールは避けたほうがよさそうです。
 屋内全面禁煙の国も多いため、普段は受動喫煙で外食できない方も、そういった国であれば気持ちよく外食できるかと思います。

 なお、電子煙草(アイコスなど)は日本では煙草と同様の扱いですが、海外では販売や持ち込みを禁止している国も多く(シンガポール・タイ・香港等)、また安全面のリスクからか、フィンランドでは全く見かけませんでした。(ただしヨーロッパでもイタリアでは売っているようです。) オーストラリアなど持ち込みを禁止してはいないものの、ほぼ販売していない国もあるようです。
 ドイツのブレーメン州アメリカのサンフランシスコ州のように、国全体では禁止してはいないものの、州によっては販売を禁止しているという国もあります。

 煙草や、電子煙草事情についても国によって異なり、法律などは変わることが多いため、苦手な方は渡航前に調べておくことをお勧めします。

3 海外では楽になる?

 旅行中、あまりの過ごしやすさに嬉しくなって呟いてみたところ、他の化学物質過敏症の方からも、海外は過ごしやすかったという体験談が寄せられました。参考に掲載させていただきました。

(1)アメリ

 アメリカに行かれた方のお話です。
 比較的軽症で、町歩きがマスク無しで可能、電車は辛く、マスク必須といったレベルだそうです。
 アメリカは、香水などの香料は多いそうですが、それでも日本の柔軟剤よりは楽と話されています。いかに日本の柔軟剤の成分が他国と異なるか、分かるお話だと思います。
 アメリカの香害事情についてもたくさん呟かれているため、ぜひ読んでみてください。

https://twitter.com/1981Allergy/status/1125792498603917314?s=19https://twitter.com/1981Allergy/status/1126755986994155520?s=19https://twitter.com/1981Allergy/status/1127438393514717189?s=19https://twitter.com/1981Allergy/status/1127442133835702272?s=19https://twitter.com/1981Allergy/status/1127582777614917632?s=19

(2)ハワイ

 ハワイに行かれた方のお話です。
 ハワイの頃は症状について原因不明で、ハワイの後に化学物質過敏症の疑いと診断され、現在は受診診断待ちということです。

 また、この方は、他にも沖縄に行かれたこともあり、本州よりも楽だったというお話もされていました。沖縄の郊外では自然な暮らしや環境に気を使って生活している人も多いそうです。
 環境にいい場所に行きたいけど症状の関係などから海外には行けないという方は、沖縄が避暑地ならぬ避香地になるかもしれません。私もいつか行きたいです。
 

(3)フィンランド

 私と同じ時期にフィンランドに行った方にもコメントを頂きました。この方は軽度の化学物質過敏症で、柔軟剤以外ではあまり症状がでないということですが、飛行機を降りた途端、きれいな空気に驚かれたそうです。香料はあっても、日本のように持続も広がりもせず気にならないと。

 また、以前行かれたドイツやNY、ロンドンでも同様に快適に過ごすことが出来たそうです。

一方で、ドイツ在住の方の中には、化学物質過敏症ではないものの、真夏のプールでの柔軟剤の香りが苦しいとおっしゃっている方もいます。
ヨーロッパは香料の文化がさかんで、香水をつけている人も多いです。EU等の規制により、売られている商品の成分は日本のものより良いものが多いとは思いますが、使う商品やその量によってはやはり激臭になっている人もいると思います。

 日本の製品と成分が異なることは確かですが、訪れる際にはくれぐれも対策を欠かさず、いざというとき自分の身を守れるように、または誰かに助けてもらえるように準備をしていくことをお勧めします。

私自身パリの空港では香水をつけている人が多かったせいもあり韓国やフィンランドより苦しいと感じました。(ただ日本よりは10倍ましでした。)

 ヨーロッパの柔軟剤の実際の成分については5にまとめておりますので、ご覧頂ければと思います。

 ヨーロッパは環境問題に対する取り組みなどの視点からもマイクロプラスチックや農薬(グリホサートなど)の規制も年々厳しくなっているため、香料そのものや、煙草でそこまで症状が出ない方は、ヨーロッパに行く選択肢は十分に考えられると思います。ただ日本と全く異なる文化や言語が通じないこと、日本人コミュニティがアジア圏より少ないこと、金銭的、時間的に気軽に帰国することが難しいことなどを踏まえたうえで、ご自身の体調や状況を鑑み、主治医がいる方は相談してから決めるよう、お願いいたします。

4 実際に行ってみて

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 とても楽になりました。行って良かったです。日本では8時間寝ても体がだるいことが多く、ぐったりしていたのですが、フィンランドでは毎日3から6時間くらいしか寝ていないにもかかわらず、旅行の日程が後半に進むにつれ元気になりました。帰り際には、こんなに楽に過ごせる場所から帰らなければならないのかと悲しくなったくらいです。

要員としては、全体的な空気のきれいさ(工事中の場所も多々ありましたが、森のように木が茂っている場所も多く、空気はとても澄んでいました。)住民が使う柔軟剤や洗剤、清涼剤、リンスやたばこ等の成分の違いが大きいことが挙げられると思います。

 柔軟剤については使用されているのか不明ですが、(アメリカでは、近年柔軟剤の売り上げが年々減少しているというニュースがありました。)香料を感じても日本で感じるような、のどが焼けつくような刺激臭や、胃腸や肺が痛くなるといった症状は出ませんでした。

 あとは湿度が低く、成分が揮発しにくいことも大きいと思います。そう考えると、高温多湿な日本と拡散型の柔軟剤は最悪の組み合わせなのかもしれません。

 さらに、韓国やフィンランドのホテルには、熱湯洗濯できる洗濯機が置いてありました。また部屋干しは基本せず、除湿器や乾燥機を使っていることも大きいと思います。

 ヘルシンキの電車は滞在した五日間基本的に空いていましたが、唯一メーデーの日だけは満員でした。突然電車の中で音楽が鳴りだしたり(運転手さんがつけていました)目の前で突然青年が歌いだしたり(楽しそうでした。)するような満員電車でも、特に症状が出ることなく30分過ごすことができました。

 また、ホテルのシーツ等に使用されていた洗剤については、匂いはするものの全く症状は出ませんでした。ホテルで洗濯をした友人の服も、かなり至近距離まで近づかないと気づかないほどで、帰りの12時間のフライトで横に座っていても分からないくらいでした。なお、スーパーマーケットではエコベール(ドイツの自然派洗剤)が売られていたことだけは覚えています。実際の柔軟剤の成分の違い等については5をご覧ください。

 デオドラントについては、ヘルシンキの若者は大抵すっとした香りをつけていることが多いです。特に若い男性がつけているイメージです。若い女性は甘い香料をまとっていましたが、目の前に立たれるとかおる程度です。

5 海外と日本の柔軟剤の成分を比べてみた。

おそらく化学物質過敏症の方が一番気になるのは海外と日本の柔軟剤や洗剤、デオドラントの実際の成分の違いだと思います。

ツイッターでフォロワーさんに教えてもらったP&Gのヨーロッパ版公式サイトで調べてみました。

日本のとある会社が公開している柔軟剤の成分はこちらです。

水 、エステル型ジアルキルアンモニウム塩 、グリセリン 、香料、ポリ四級アンモニウム塩 、抗菌剤 、ギ酸、塩化水素 、シリコーン塩化カルシウム 、HEDPナトリウム塩 、防腐剤 、着色剤*

 もちろんこれ以外に非公表にしている成分はあると思いますし、香料の具体的な名前などは一切分かりません。そのため、日本と海外で同じ防腐剤でも全然成分が違う、ということはあると思います。
 とりあえず今回は、公表されている成分だけを比べてみたいと思います。

フィンランドの同じ製品の成分情報はこちらです。

水、ジパルミトイエチル/ジステアロイルエチルジモニウムクロリド(4級アンモニウム塩)、香料、2-プロパノール(2級アルコール)、ココヤシ油、ヘキシルシンナムアルデヒドサリチル酸ベンジル、アクリルポリマ、シトロネロール、ギ酸、リモネン、α‐イソメチルイオノン、ジプロピレングリコール、リナロール、塩化カルシウム、エチドロン酸ナトリウム、着色剤、ジメチコン、ベンゾイソチアゾリノン、ジメチル・メチル(覆われてたポリエチレン酸アセテート)シロキサン、ジメチコノール、水酸化ナトリウムシリカ、着色剤

正直、あまりの情報量の多さに驚きました。なお、これらの表示は元々全て英語でしたが、一つ一つ成分を調べて日本語に訳したものです。日本語で出てこなかった成分もあり、それは直訳しているので、正確な日本で使われている名称とは少し違うものもあると思います。

整理してみましょう。
一番の発見はジメチル・メチル(覆われたポリエチレン酸アセテート)シロキサンでしょう。日本では全く成分が公にされないマイクロカプセルの正体でしょうか。
塩化水素はどうやら日本の製品のみのようです。塩化水素は有毒で、塩酸ガスとも呼ばれる気体です。水やアンモニア、アルコールと反応して新たな物質を生成します。あの肺や目への刺激はこれが原因なのでしょうか。
正直、日本の製品は情報が少なすぎて考察のしようがほとんどない気がします。

6 ただしこんな一面も

 ただ、海外であっても苦しくなることはあります。

 私もフィンランドの駅前やバス停の近くで立っていた時は、煙草の煙がきつく一時的に苦しい思いをしたこともありました。屋内全面禁煙のため、食事はもちろん満員のバス等でも全く気になりませんでしたが、喫煙者の近くを通るときやバス停、駅の入り口ではご注意ください。

 韓国も、屋内は全く気にならなかったのですが、排気ガスなどで喉が痛くなることがあるのでマスクを持っていくことをお勧めします。
 ホテルに芳香剤が置いてあることもあるので、事前にホテルに連絡して頼んでおくか、発見した場合には自分で芳香剤を隔離することが必要になります。

 また、海外でも日本人と遭遇するとかなり苦しいです。フィンランドマリメッコ本店は日本人が多く、柔軟剤で気分が悪くなりました。ただ、商品には幸い香りはついておらず安心しました。

 クアラルンプールは電子煙草や煙草がきつく、タクシーは車によってはかなりの芳香剤がついている場合が多いということです。

 さらに、アメリカは、香料がきつくトイレの個室にも芳香剤があったり、香水をつけている人が多いということでした。

 そのため、香料そのものや、煙草で重篤な症状が出る方は、注意をして渡航をしたほうがいいかもしれません。

 さらに、空気の悪さなどもぜんそくや過敏症に影響する場合もあると思うので、行かれる際はPM2.5の発生具合等にご注意ください。

6 帰国後反動が来る可能性

アメリカに行かれた方のツイートです。柔軟剤は海外ではほぼ暴露することがないため、日本に帰ってきてからの落差がひどいようです。

 

 初めに紹介させていただいたこの方の場合、日本に帰ってきてから、環境の悪化により一気に体調を崩されたそうです。詳しく表にまとめられているため、ぜひご覧ください。
 実際に私もフィンランドから帰国してしばらくたってから、腎盂腎炎を発症し大変な思いをしました。

 海外で過ごしたあと日本に帰国すると、環境の落差等から反動で体調が悪化することもあるため、帰国後はみなさんどうぞご注意ください。

7 最後に

 引用させていただいた方々のツイートは、許可を頂いて掲載をしています。また、これらのツイートは、化学物質過敏症が海外に渡航すれば確実に治ることや楽になること等を保障するものではないことをご理解ください。
 あくまでも参考にしていただけると幸いです。

次回は海外に持っていけばよかったものについて書こうと思います。

化学物質過敏症の人間が海外に行ってみた話②

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目次

1 化学物質過敏症と長時間のフライト

この話は、化学物質過敏症の人間が海外に行ってみた話①のシリーズものになります。単体でも読めますが、よかったらこちらもどうぞ。
化学物質過敏症の人間が海外に行ってみた話① - うに日記

化学物質過敏症とは、柔軟剤や殺虫剤、農薬などの人体に影響のある化学物質を長期間、又は大量に体内に取り入れることで発症する病気です。原因となる化学物質に接触することで、呼吸困難や意識障害などの重篤な症状が出ます。人によって症状が異なりますので、興味のある方は、こちらのサイトをご覧ください。

化学物質過敏症支援センター http://www.cssc.jp/cs.html

 化学物質過敏症を発症した後、フィンランドと日本を往復した際に行った、長時間のフライトに耐えるための方法などをまとめました。海外に行きたいけど、長時間、密室で満席の航空機に乗るのがとても不安という方の参考になればと思います。
 

2 フライト分割はしたほうがいいのか

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 行く前、とても悩んだことの一つです。フライトを分けると嫌でも移動時間が長くなり、その分現地滞在時間も減ります。しかしフィンランドへは片道12時間以上で、その間ずっと防毒マスクをつけるのも、活性炭マスクで耐えるのも無理だと思いました。
 結果として、私の場合は行きも帰りも3分割しました。それで良かったと思います。

分け方は以下の通りです。

行 ①日本→韓国 
  ②韓国→オランダ 
  ③オランダ→ヘルシンキ

帰 ④ヘルシンキ→パリ 
  ⑤パリ→韓国 
  ⑥韓国→日本

 予想通り、①と⑥が一番機内の空気は悪く、苦しかったです。窓際に座っていましたが、柔軟剤の香りが充満し息をする場所もないように感じました。そのため①と⑥では常に防毒マスクをつけていました。外したのは乗り降りの時だけです。幸い添乗員さんは韓国の人でしたが、気にする様子もなく普通に接してくれました。

 次に大変だったのは②、これは前の席に香水をつけた韓国人の人が座っていたからです。ただ、私は香水でそこまで症状はでないので、活性炭マスクだけをつけていました。

 他の③、④、⑤は特に匂いを感じることなくマスクもつけず普通に過ごすことができました。特に、フィンランド発着の便はとても楽で、過敏症が治ったんじゃないかとさえ思ったくらいです。

 このように、化学物質過敏症を発症した人が海外に行く場合、多少面倒でもフライトをいくつかに分けることで、リスクを分散させることができます。特にヨーロッパ方面へ行く方は、直行便で行くと12時間以上かかるかなり長いフライトになります。もし目の前の席に座る人が柔軟剤ヘビーユーザーだったら、喫煙者だったらということを考えると、できるだけ分けてリスクを分散させたほうが安心です。

 また、今回の旅行でできるだけ日本発着のフライトは短くしたほうがいいということを実感しました。特に柔軟剤で症状が出るという方はなおさらです。最低でも1度は近場でフライト分割をしたほうがいいと思います。韓国や台湾であれば、機内でも空港内でも日本語が通じるスタッフがいるため、乗り継ぎをするのに安心です。

3 飛行機の座席はどこがいいのか

 航空券や、航空会社によってはできない場合もあるかもしれませんが、大抵のフライトでは自分で座席指定を行うことができます。海外の空港では、無人チェックインができる機械が置いてあるため、そこで簡単に設定することができます。なお、韓国の仁川空港では無人チェックイン機に日本語設定もあり、とても安心でした。初めて海外の空港を利用する場合には特に、上記1で書いた理由も加えて、韓国など日本に近いアジアの国に一度降りることをお勧めします。

 本題に戻ります。座席はどこがいいのかということですが、正直どんなに席を選んでも、柔軟剤や香水を大量に着けている人が目の前に座ってしまうとどうしようもありません。ただ、それでもできるだけましな席を選ぼうと考え試してみました。

 航空機内は飛び立った後も空気が循環しています。しかし、空気の流れはそこまで強くなく、左右前後に強い匂いの方が座ってしまうとかなりきつい思いをすることは間違いありません。そういう意味では周りに座る人数が1人減る、窓際がおすすめです。

 実際、3,4,3で座席が区切られている機体の場合、左の3列の左から2番目と一番窓際の空気の流れを比べてみたところ、窓際の方がより楽に感じたため、途中友人に交代をお願いしました。(彼女には本当に迷惑をかけました。)なお、友人自身の柔軟剤臭は、韓国で2度熱湯洗濯をしてもらったため、横に座っても大丈夫でしたが、柔軟剤を使用する同行者と同乗する場合には、前後にしたほうがいいかもしれません。(柔軟剤の同行者が後ろ、自分が前。)
 また、いざ防毒マスクをつけなくてはならなくなったときにつけやすいというのも窓際のメリットだと思います。そのため①、⑥の日本発着の便はどちらも窓際にしました。

 一方、窓際のデメリットは席を立ちにくいということです。長時間のフライトの際、通路側の席の人がずっと寝ていたのでトイレに行きにくく困りました。しかも、トイレに行っている間、通路側の人はずっと席に座らずに待っていてくれたので申し訳なさが半端なかったです。
 さらにスマホを失くした際や、機内食について尋ねる際にも窓際では中々添乗員さんと話すことができず、苦労しました。

 4の話にも繋がっていくのですが、いざというとき、防毒マスクをつけるなら窓際、席を立ったり乗務員さんを呼んだりするなら通路側をおすすめします。

 また、電磁波過敏がある方は、窓側は避けたほうが無難だと思います。私は、電磁波に関しては普段そこまで症状は感じませんが、一番長い行きのフライトの時、左端の窓際に座っていたところ、左側の筋肉がピリピリと痛くなり、降りた途端楽になりました。また、長時間のフライトではすべての座席にテレビが取り付けられていることが多く、かなりの電磁波を浴びることとなります。電磁波に過敏な方は特に、電磁波を遮断するためのグッズ等をあらかじめ用意しておくことをお勧めします。

 なお、ヘルシンキ発着のフィンエアーは、他の便とは違い、3列、3列の合計6列の便でした。中央寄りの列と窓側の列、両方試しましたが、どちらも全く匂いを感じることなく快適に乗ることができました。

4 もし飛行機で強い成分を身に着けている人の近くに座ってしまったら

 3でも触れましたが、いざというとき私が実行しようと思っていた対処法2つを紹介します。

(1)防毒マスクをつける

 1でも書いた通り、日本と韓国間の便では片道1時間半の短時間のフライトだったこともあり、私はこれでしのぎました。どちらも窓際の席で横には友人も座っていたため、窓の方を向いていれば飛行中は乗務員以外の誰にも見られずに済みました。例え見られたところで、おそらく二度と会うことは無い人ですし、韓国・日本間でも、韓国・オランダ間で1時間ほど装着していた際にも乗務員には何も言われず普通に接してもらえたので、特に気にする必要はないと思います。苦しいと思ったらすぐにつけましょう。

なお、私はこのタイプの防毒マスクをつけました。値段も安く、重量も少なく、すぐに付けられるためお勧めです。ただし、少々はじめにゴムの匂いがするのと、顔に跡がつきます。普段からつけるのであれば、アレルギーを発症しないよう2種類ほど購入し、日替わりでつけるのがいいと思います。


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(2)乗務員に伝え、席を変えてもらう

 長時間のフライトで、防毒マスクでも苦しくなったら(強烈な柔軟剤の充満した船の部屋に7時間くらいいたときには、最後の方には少し入ってきてしまいました。)この方法を試そうと考えていました。幸い長時間のフライトでも香料の匂いはほぼなく、活性炭マスクで大丈夫でした。

 しかし、私の乗った便は満席だったため、たとえ実行しても席を変えてもらえたかどうかはわかりません。ただ、他に場所を作ってもらうなど、何らかの配慮はしてもらえると思います。命にかかわることなので。

 頼むときは口頭でなくともいいです。できれば、グーグル翻訳(英語⇔日本語)をスマートフォンなどにあらかじめダウンロードしておき、Wi-Fiのない環境でも、使えるようにしておくことがベストだと思います。添乗員に渡すことで、スムーズに理解してもらえます。また、同行者がいるなら、その方に代わりに頼んでもらうのも一つの手です。

5 機内食について

 長時間のフライトでは機内食が出ます。私は小麦でお腹を壊すため、現地で食べるものがあるのか、また、機内食が食べられるか不安でした。そのため、日本で干し芋などを買っておき、いざというときには食べられるようにしていました。
 現地についてはかなり融通が利き、食べられるものがたくさんありましたが機内食は少し制限がかかりました。

 機内食が出たのは、韓国・オランダ間と、オランダ・ヘルシンキ間、パリ・韓国間です。発着のどちらかが韓国の時は、韓国風のメニューと洋風のメニューの2種類が選べるようになっていました。(もちろん韓国メニューを選びました。)そのほか、いくつかのスナックやワインを含む飲み物が配られました。

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友人の機内食(フレンチバージョン)

 オランダ・ヘルシンキ間の機内食は小麦を使ったヌードルとケーキで、残念ながら食べることができませんでした。二時間だったので食べる必要もなかったのですが、友人がおいしそうに食べているのを見るとつい、羨ましくなります。

 フィンランドに到着し、あまりにもグルテンフリーの食品を手軽に手に入れることができたため、もしかすると飛行機でも頼んだらグルテンフリーの機内食も出てきたかもしれない、と思い、実際に帰りのパリ・オランダ間の長距離フライト(航空会社はエア・フランス)で聞いてみました。韓国風メニューにもパンやケーキがついており、軽食には小麦が入っていて食べられなかったからです。
 結果は✖でした。グルテンフリーの機内食を用意するには、事前に伝えておく必要があるそうです。残念ですが、スペシャルメニュー(と言われました)は当日その場では無理ということで諦めました。

 会社によって対応が異なる場合もあるため、気になる方は事前にホームページで確認しておくことをお勧めします。

6 最後に

 全体的に、日本発着以外の便はどれも驚くほど楽なフライトでした。もし海外に近々行こうと考えている方がおられれば、参考にしていただけると幸いです。

 ただし、過敏症が重症化している方は、海外に渡航される前に自分の体調をしっかり確認し、病院に通われている方は主治医に相談してください。海外に行くことに慣れていない方は同行者と行かれることを強くお勧めします。

 また、今のところ、海外に行って悪化したという方の話は聞いてはおりませんが、柔軟剤よりも香料そのものに強い反応が出る方や、受動喫煙症をお持ちの方の場合、日本にいるより重篤な症状が出る可能性がありますのでお気を付けください。

 次回は海外に行かれた方の話や持っていったほうがいいものについて書こうと思います。

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感想(4件)




化学物質過敏症の人間が海外に行ってみた話①

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目次

1 化学物質過敏症って何?

 化学物質過敏症とは、有機溶剤や農薬、接着剤、柔軟剤など人体に悪影響のある化学物質に長時間、強い濃度でさらされ続けることで発症します。発症の原因となった物質等を吸い込んだり触れたりすることで、呼吸困難、胃腸炎、めまい、意識障害、湿疹、不眠、けいれんなど重篤な症状を引き起こします。
 初期症状としては、嗅覚等が過敏になり、今まで使えていた香料や排気ガス、灯油等の匂いに違和感を覚えます。

 人によって出る症状や原因物質が異なりますので、もし思い当たる節がある方、友人に似た症状を持つ方がいるなど関心がある方は、詳しくは下記のサイト等をご覧ください。
化学物質過敏症支援センター
http://www.cssc.jp/cs.html

2 化学物質過敏症でも海外には行ける?

 私がフィンランドに行きたいと思ったのは、ちょうど化学物質過敏症が発覚する一か月前の2018年10月でした。そこから友人と計画を立て、飛行機とホテルを予約、お金も支払いました。その後化学物質過敏症が発覚し、旅行日が近づくにつれ不安は増していきました。もし逃げ場のない旅行中に、症状が悪化し動くこともできなくなったら。倒れてしまったら。一時期は、自分の分をキャンセルしようと考えていたほどです。

 そんな私を勇気づけてくれたのは海外に出られた過敏症の方々の言葉でした。
 海外に出たほうが化学物質過敏症の症状が出にくい。日本より体調がよくなる。香水の匂いはあるが柔軟剤臭が少ない。そういった報告を受け、実際に行ってみることにしました。

 結論から言いますと、大当たりでした。日本と韓国間の1時間半のフライトでは防毒マスクを外すことさえできませんでしたが、他のフライトでは活性炭マスクさえ必要ないことが多く、過敏症になる前に戻れたようでとても幸せでした。

 今回は、私の一番のネックだった次のことについて書きました。もし友人と一緒に海外旅行又は国内旅行をされるという方がいれば、参考にしていただけると幸いです。

3 化学物質過敏症と柔軟剤ユーザーは一緒に海外旅行に行けるのか

(1)服についた柔軟剤成分

 化学物質過敏症が2018年11月に発覚、そこから急激に悪化し、柔軟剤の匂いを嗅ぐだけで胃痛や腸のガスに悩まされるようになりました。2019年3月、一緒に行くことを約束した友人の柔軟剤臭がとても強いことに気付き、9日感も一緒に過ごすことができるのだろうかと不安を感じました。

 友人には旅行一週間前から柔軟剤を使用するのをやめてもらい、無香料洗剤をいくつかプレゼントして代わりにそれを使ってもらいました。彼女も相当困惑し、戸惑ったと思います。半年前には化粧もしてぴんぴんしていた人間が、旅行間際になり化粧もろくにできず、マスクを外せないのですから。その上自分が使っている柔軟剤の匂いで体調を崩すというのですから。しかし、飛行機の中で12時間隣に座り、同じホテルを使う私にとっては死活問題でした。

 結果、残念ながら柔軟剤は一週間では落ちないことが判明しました。行の途中、韓国で泊まったホテルの部屋に熱湯洗濯できる洗濯機があったため、翌日の12時間のフライトで着る服を熱湯で2回、洗濯してもらいました。(友人には申し訳ないですが)そのおかげで次の日のフライトはとても楽に過ごせました。

(2)日本から持ってきたシャンプー

 次に待ち受けていた問題は、友人が使うシャンプーです。私はこの半年間、基本的に植物性の無香料シャンプーしか使っていませんでした。そのため、密室で使うシャンプーがどれほど恐ろしいものかすっかり忘れていました。
 行の韓国のホテルでは、換気がしっかりされていたうえ、部屋も広かったので気になりませんでしたが、ヘルシンキでは地獄でした。なんと、ガラス窓が2重になっていて開けられないように密閉されているのです!(泊まった4つのホテル、全てそうでした。)到着したその日に泊まったホテルは換気扇もなく、友人が日本製のシャンプーを使った後は、一時的に外に出るしかありませんでした。

結論としては、同行者がいる場合は
①同行者用に安全なシャンプーを持っていく
②ホテルのアメニティがあればそれを使ってもらう。
③ヨーロッパについてからシャンプーリンスを購入し、使ってもらう。
④別々の部屋をとる。
のうちどれかを選ぶしかないと思います。

 ①については、日本で売っている石鹸シャンプーやマグちゃんを事前に多めに購入し、持っていくという方法です。

 ②のヘルシンキのアメニティについてですが、シャンプーやリンスなどはついていないところも多いです。逆についている場合は、それを使ってもらったほうがいいかもしれません。2日目に泊まったホテルでは、サウナにアメニティが置いてあり、それを使ってもらったのですが、全く反応しませんでした。成分の記載はありませんでしたが、表面にsea weeds(海藻)と書いてありました。

 ③についてですが、街中のドラッグストアには、安全なシャンプーやリンスがたくさんあります。同行者がいるときにはそれを買って使ってもらう、同居している人がいるならば、お土産に買って帰ることをお勧めします。成分は大抵フィンランド語表記のみですが、グーグル画像翻訳で、ほぼ理解することができます。植物由来成分(オーガニックのものも多い)で無香料のものをお勧めします。

 さらに、少しわき道にそれますが、デオドラントも買って帰ることをお勧めします。町ですれ違う若者は、大抵すっとした匂いをさせているのですが、日本の匂いと違い反応しませんでした。すべて天然由来の成分のものも多いので、もしご家族でスポーツが好きという方や、汗のにおいが気になる場合には使ってもらうのもいいと思います。私もいくつか家族に買って帰りました。生理用ナプキンも、オーガニックコットンのものが多く(むしろケミカルナプキンはありませんでした)、日本ではあまり売っていないカップ式のものもあったので気になる方は買って帰ることをお勧めします。
 ドラッグストアにはサプリもたくさん売っていますが、日本では医療薬に該当するものもあるので、買う場合はできれば店員さんに成分や目的を聞いてみたほうが無難です。

 なお、フィンランドもそうですが、ヨーロッパの人はほとんどマスクをしている人がおらず、マスクをつけるとかなり目立ちます。路上で煙草を吸っている人も多いので、(特に駅の入り口)化学物質過敏症の人がどうしているのかと調べてみたところ、どうやら鼻に入れるマスクがあるようです。私も買ってみました。次行くときにはつけてみようかな。

 ④について、同行者と分かれて2部屋とる場合の注意です。フィンランドでは、日本と違い、基本的に金額は部屋数で決まります。シングルが安くなるということはあまりなく、一人でも二人でも同じ金額になることが多いです。そのため、お財布と相談し、同行者と話し合って決めましょう。(私は別部屋をお勧めします。)
 私の場合は、ヘルシンキの2日目のホテルが、なんと旅行の一か月前に改装したばかりで、シックハウス症候群を持つ私にとっては禁忌の場所だったので、私だけ急いで近くの別のホテルを予約し移動しました。(キャンセル料は戻ってこないということで、友人はそのホテルに残ってもらいました。)

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移動した先のホテルのラウンジ 

そのため、シャンプー問題については、
1日目でこりごり→フィンランドのドラッグストアで購入し、使ってもらうことを計画
2日目のホテルでシックハウスと判明、別のホテルへ移動
5日目合流、シャンプーはアメニティを使ってもらい無事

という感じでした。

 お財布の心配と、友人と一緒に泊まる楽しみを除けば、お互いにどうしようもないことでイライラしなくて済むので別の部屋をとることをお勧めします。付け加えておくと、友人は沢山協力してくれましたが、日本の柔軟剤やリンスの成分はなかなか落ちません。恨むとすれば、体に悪い成分が大量に入った商品を作り続けている日本の企業です。
 なお、5日目には友人はフィンランドのホテルで洗濯していたのですっかり柔軟剤臭は落ちており、無臭に変わっていました。

次は、飛行機の柔軟剤事情について書きたいと思います。

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